本日、Neural Network Console クラウド版をアップデートいたしました。本blogでは、新たに追加された以下の新機能と、その使いどころについて紹介していきます。

・計算リソースとしてABCIのGPUが利用可能に
・プロジェクト公開機能の追加
・サンプルプロジェクトの大幅拡充
・その他の機能・改善点

 

1. 計算リソースとしてABCIのGPUが利用可能に

Neural Network Console クラウド版は国立研究開発法人 産業技術総合研究所の国内最速超高性能コンピュータシステムABCI（※）と連携し、学習・評価に用いる計算リソースとして、ABCIの提供する高速かつより安価なGPUが選択可能になりました。

https://dl.sony.com/ja/cloud/abci/index.html

学習時には、1つの学習ジョブに対して1台もしくは4台のNVIDIA® Tesla® V100 GPUを用いることができます。

2019年4月末までは体験キャンペーンとして最大10万円分のABCI GPUを無料で利用できるキャンペーンを実施します。どうぞこの機会にGPUを用いた高速な学習をご体験ください！

https://dl.sony.com/ja/business/abci_campaign1.html

 

2. プロジェクト公開機能の追加

プロジェクト公開機能を用いることで、Neural Network Consoleで行った実験結果をWebページとして公開することができます。

本機能を利用するには、TRAINING他部もしくはEVALUATIONタブにて、学習結果を右クリックして表示されるメニューからPublishを選択します。

　
プロジェクト公開

以下は、LeNetサンプルプロジェクトの結果を公開した例です。

LeNetサンプルプロジェクトを元に出力したWebページ

プロジェクト公開機能を用いることにより、ご覧のように実験に用いたデータセット、ネットワークの構造や学習の設定、評価結果（評価が行われている場合）、さらにはリファレンスまでをWebページとして公開することができます。

プロジェクト公開機能は自身の実験の記録にはもちろん、より効率的な実験結果の共有のために威力を発揮します。

 

3. サンプルプロジェクトの大幅拡充

今回、クラウド版のサンプルプロジェクトを大幅に拡充すると共に、目的のサンプルプロジェクトを素早く探すことができるよう改善を行いました。

サンプルプロジェクトの一覧を表示するには、ログイン後のメニューからSample Projectを選択します。サンプルプロジェクトは、目的、テクニック、データセットそれぞれの視点から探すことができます。

 

4. その他の機能・改善点

その他にも、以下のように様々な機能追加や改善が行われています。

NNP、ONNXのインポート機能
Upload Projectから、学習済みモデルNNP、ONNXファイルのインポートが可能になりました。ネットワーク構造はもちろん、学習された重みもGUI上にインポートして再利用することができます。

 

htmlレポート出力機能
プロジェクト公開機能で公開されるレポートの内容は、htmlファイルとしてダウンロードすることも可能です。ダウンロードしたhtmlファイルの内容をコピーペーストすることでWordなどのファイルに張り付けたり、blogに投稿したりすることができます。

 

Overview機能
今回クラウド版においてもOverview表示に対応し、容易に編集中のネットワークの全体像、または各履歴の学習に用いたネットワークを確認することができるようになりました。

 

Neural Network Consoleは今後も改善を継続していきます。
今後の適切な機能追加のため、引き続きユーザの皆さんからのご意見ご要望をお待ちしています！

 

Neural Network Console クラウド版
https://dl.sony.com/ja/cloud/

 

※ABCI
国立研究開発法人 産業技術総合研究所（本部所在地：東京都千代田区、理事長：中鉢良治、以下：産総研）の国内最速超高性能コンピュータシステム「AI橋渡しクラウド（AI Bridging Cloud Infrastructure）」 。
産総研が構築・運用する世界最大規模の人工知能処理向け計算インフラストラクチャで、2018年8月より運用が開始された日本における産学官共同のAI研究開発を加速するプラットフォームです。