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Neural Network Console Windows版Version 1.60公開

Tuesday, December 03, 2019

News

Posted by Yoshiyuki Kobayashi

本日、Neural Network Console Windowsをアップデートいたしました。
本Blogでは主なバージョンアップ点についてご紹介します。

    ・Neural Network Console クラウド版の計算リソースを利用した学習機能(beta)
    ・TensorFlowフォーマット(.pb)でのExport機能(beta)
    ・プラグインとして新たにLIME、Inferenceを追加

 

1. Neural Network Console クラウド版の計算リソースを利用した学習機能(beta)

学習実行前にメニューからNeural Network Console クラウド版の計算リソースを選択可能になりました(※1)。

クラウド版の計算リソースを指定した学習を実行すると、自動的にNeural Network Consoleクラウド版へのプロジェクトとデータセットのアップロードが行われます。

学習が始まると、これまでローカルのプロセッサを用いて行った場合と同じように手元の画面で学習の進捗を確認することができます。
この学習の進捗はNeural Network Console クラウド版でも確認可能です。

クラウド版の計算リソースを用いた場合、複数の学習を並行して実行することができます。
例えば8GPUを用いた学習を4並列で実行すれば、同時に32GPUを利用することができることになります。

Neural Network Console クラウド版を用いた学習の詳細については、Windows版同梱のpdfマニュアルに含まれる以下の解説をご参照ください。

6.1.9 Neural Network Consoleクラウド版でニューラルネットワークの学習を実行するには(beta)

 

2. TensorFlowフォーマット(.pb)でのExport機能(beta)

Neural Network Consoleを用いて学習したモデルを、既に対応していたONNXに加え、TensorFlowフォーマットでExportすることが可能になりました(※2)。
Exportを実行するには、学習結果リストを右クリックして表示されるメニューからExport、pb (TensorFlow frozen graph)を選択します。

本機能により、Neural Network Consoleを用いて学習したモデルをさらに多くの環境で実行可能になりました。

 

3. プラグインとして新たにLIME、Inferenceを追加

今回追加された2つのプラグインについてご紹介します。

・LIME
LIME(※3)は、既に利用可能であったプラグイン「Grad-CAM」同様、認識結果に対して大きな影響を及ぼす入力データを可視化するためのポピュラーな手法の一つです。

LIMEを用いるには以下の操作を行います。

    1. 画像認識プロジェクトにおいて、学習と評価実行を行う
    2. EVALUATIONタブに表示された評価画像を選択する
    3. EVALUATIONタブの評価結果、右クリックメニューからPlugin、LIMEを選択
    4. class_indexに可視化を行うクラスのIndexを指定(1000クラス分類の場合0~999など)

LIMEの結果画像を大きく表示するには、EVALUATIONタブに表示されるLIMEの結果画像をダブルクリックします。

 

・Inference
1つのデータに対する推論を実行します。
本プラグインを用いることで、新しいデータに対する推論を簡単にGUI上で行うことができるようになりました。
推論の実行方法は以下の通りです。

    1. EVALUATIONタブ左の学習結果リストから、推論に用いるモデルの保存された学習結果を選択する
    2. EVALUATIONタブの評価結果、右クリックメニューからPlugin、Inferenceを選択
    3. input-data右のボタンをクリックし、認識対象のファイル(画像もしくはCSV)を指定する。あるいはベクトルデータの場合カンマ区切りの値を指定する

 

Neural Network Consoleは今後も改善を継続していきます。
今後の適切な機能追加のため、引き続きユーザの皆さんからのご意見ご要望をお待ちしています!

Neural Network Console Windows
https://dl.sony.com/ja/app/

 

※1
リリース時点では、RandomFlipレイヤーを利用したプロジェクトはNeural Network Console クラウド版上で正常に実行することができません。
こちらの問題についてはクラウド版のアップデートで解消される予定です。

※2
Neural Network Console Windows版Version 1.60では、Windows 8.1において正しくTensorFlowフォーマット(.pb)でのExportが完了できない場合があります。
こちらの問題については将来のアップデートをお待ちください。

※3
“Why Should I Trust You?”: Explaining the Predictions of Any Classifier
Marco Tulio Ribeiro, Sameer Singh, Carlos Guestrin
https://arxiv.org/abs/1602.04938