本日、Neural Network Console Cloud版 正式サービスを国内リリースできたことを、関係者一同大変嬉しく思います。
Neural Network Console Cloud版 正式サービス
Neural Network Consoleは、商用クオリティーの本格的なDeep Learning応用技術の開発を実現する統合開発環境です。昨年8月にはWindows版(無償)を、11月にはCloud版のオープンβ(10CPU時間、10GBのストレージ、10プロジェクトまで無償)を公開しました。今回のNeural Network Console版 正式サービスではオープンβの機能に加え、1つの学習に最大8台までのマルチGPUを含むGPUでの学習(有償)の提供を開始、Clould上での本格的な開発が可能になりました。
Neural Network Console – Cloud
通常ニューラルネットワークの学習には膨大な演算が必要です。必要な演算量は主に扱うデータの量とニューラルネットワークの構造に依存し、一般的なCPUを用いた学習では学習の完了まで数時間~数週間以上を要するケースも少なくありません。
GPU、マルチGPUを用いることで、学習完了までの時間を大幅に短縮することができます。研究者・開発者は同じ開発期間でより多くの試行錯誤を行うことができるようになり、開発効率は劇的に向上します。学習の完了までに数日を要する環境と、同じ学習が1時間で終わる環境とでは、研究開発の質が全く違ったものになります。
しかしながらGPU、とりわけ複数台のGPUを活用するためには、環境のセットアップ、使いこなし共にそれなりの知識が必要でした。日々の研究開発において気軽に複数台のGPUを利用可能な技術者は、まだまだ一部に限られていたのではないかと思います。
Neural Network Console Cloud版では、学習実行時に学習環境を選択するだけで、極めて手軽に最大8台までのGPUを用いた分散学習を実行することができます。必要に応じて複数の設定や複数のプロジェクトでの学習を並行して実行し、さらに多くのGPUを同時に利用することも可能です。
学習環境の選択メニュー
Neural Network Consoleは、Deep Learningの開発者が本質的な開発作業に集中するための、様々なサポート機能を提供しています。今回Deep Learningの開発者はNeural Network Console Cloud版のGPU環境を活用することで、開発環境のセットアップ作業からも解放され、より本質的な作業に集中できるようになります。
また、Neural Network ConsoleはDeep Learning初心者に対する敷居を下げ、すばやい技術の習得を実現するために、直感的なGUIを提供しています。今回の正式版は、かつて初心者がDeep Learningに取り組むにあたり1つのボトルネックになっていたGPU環境の構築を不要にすることで、その敷居をさらに下げる役割を果たします。同時に、限られた時間でのより多くの試行錯誤、より多くのデータや大型のニューラルネットワークを用いた学習の経験を通じ、より短い期間での技術の習得が可能になります。
今回のマルチGPU環境の提供が、高い開発効率を必要とするDeep Learning経験者、そして素早い習得を目指す初心者の双方にとって、目的達成のためのハイウェイとなることを期待します。Neural Network Consoleは今後もDeep Learningの研究開発におけるボトルネックの徹底的な解消を目指した開発を継続し、AI関連技術の発展に貢献していきます。
※オープンβで提供していたCloud版の無償利用枠(10CPU時間、10GBのストレージ、10プロジェクト)は引き続き提供します。また、無償のWindows版、オープンソースのNeural Network Librariesについても引き続き活発な開発を進めていきます。今後のNeural Network Libraries/Consoleの最新情報については、以下のTwitter公式アカウントも合わせてご参照ください。
https://twitter.com/NNC_NNL_jpn
プレスリリース
人工知能(AI)を実現するディープラーニング(深層学習)の統合開発環境Neural Network Console、クラウドサービスで複数GPUによる高速学習サービスの提供を開始